2 話し合う

~ それぞれの備え ~

(左)カゴメ株式会社 細川和紀 (中)管理栄養士・防災士・災害食専門員 今泉マユ子先生 (右)そなエリア東京 副センター長 澤 善裕 氏

【細川】さて、ここからは、「備え」について、専門家の先生から、さらに踏み込んだお話を伺っていきたいと思います。よろしくお願いします。

阪神淡路大震災がきっかけ
「そなエリア東京」

【細川】まず澤さん、今回見学させていただいた「そなエリア東京」ができた背景をおしえてください。

※そなエリア東京
https://www.tokyorinkai-koen.jp/sonaarea

【澤】1995年の阪神・淡路大震災がきっかけです。亡くなった方が6,434名、被害額が約10兆円(当時の金額で)という大変な規模でした。

同じような災害が東京で起きた場合の被害を平成25年に試算したところ「経済的被害約95兆円、亡くなる方は2万3千人」と算出されました。さらに日本の首都となると、世界的にも大きな影響を及ぼします。そこで国では、さまざまな対策を施して、都市計画の見直しを始めました。

【細川】阪神・淡路大震災からは、どんな反省・教訓が挙げられたのですか?

【澤】「当時、被災地の情報がなかった」こと、「支援専門の拠点がなかった」ことでした。阪神・淡路大震災では避難場所がイコール支援拠点でもあり、避難者が多数いる中でヘリコプターが着陸できなかったり、安全とは言えない環境でした。

そうした反省を踏まえ、「情報を集約できる場所づくり」を目指し、南関東地域の候補地を検討しました。そしてこの「有明の丘」地区に支援拠点がつくられることになったのです。

全国にも体験施設はある?

【細川】「そなエリア東京」のように体験できる施設は、このほか全国にあるのでしょうか?

【澤】神戸には「人と防災未来センター」、大阪には「あべのタスカル」という大阪市立阿倍野防災センターがあります。また、愛知県には「津波防災センター」などがありますので、地元の県や市の施設をまずは検索していただくとよいと思います。

※人と防災未来センター
https://www.dri.ne.jp/
※大阪市立阿倍野防災センター「あべのタスカル」
https://www.abeno-bosai-c.city.osaka.jp/tasukaru/